クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い



「そういえばわたしたち、だいたいの会話は敬語なんですよね」

「ですね」



そこで会話は途切れる。このままでいいとも思っていたし、白井くんがどうだったのかは知らないけど──、お互い、じゃあ変えましょうか、とは言わなかった。



「……返信、来ました。帰ってこないみたいです」

「おとうさん、忙しいんですか? ……あ、わたしたちは学生だから帰りが早い、ってだけですかね」

「働いてるから帰りが遅い、っていうより、よく泊まり込みで仕事してるから帰ってこないときもある、って感じですかね」

「帰ってこない……」

「はい、まあ、慣れっこですよ」

「慣れっこ……」



繰り返しながら、慣れっこってかわいいな、なんて思った。それに。



……さみしい、とか。思っていても、白井くんは言えないひとなんじゃないかな。そうやって考えたりもしちゃって。


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