年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
 嵐がまた腰を激しく動かす。まだ痙攣している私の体には刺激が強すぎて、
「ひゃぁああん」
と変な声が漏れた。
「りこねえ、りこねえっ」
「あっ、嵐っ、すっ好きっあああん」
「りこねえっ」
 嵐は私の名前を呼びながら達した。私たちはしばらくそのままの体制でで抱き合っていた。


 翌日私たちはデパートに買い物に来た。嵐と歩いていると、周囲の視線を一気に感じて私は下を向く。私が相手では明らかに分不相応なのだ。
「りこねえ?」
 心配そうに嵐が私の顔をのぞき込む。
「う、ううん・・・なんでもない」
 私は作り笑いをした。
「・・・りこねえ、やっぱ、買い物は今度にしよう」
 嵐は手を引いて駐車場に引き返す。驚いている私に、車に乗りながら、
「ドライブしよう、ドライブ。沖縄はいいところいっぱいあるよ」
と笑いかけた。あ・・・気を遣ってくれているんだ。嬉しいけれど申し訳ないような・・・でもやっぱり二人きりで過ごせる喜びが一番大きかった。
「うんっ」
 私は笑顔でうなずいた。
 嵐は安全運転で車を走らせる。
「やっぱり、沖縄は海が綺麗だねぇ~」
 まるで絵の具で着色したかのような海にうっとりしながら言った。
「もう少ししたら一緒に海行きたいね。りこねえの水着姿見たい」
「えーーむりむりむりむり!!」
「無理って言われたら余計着せたくなるんだけど」
「やめてよー!」
 笑いながらたわいもない会話をする。ああ、すごく自然にしゃべれている。人の目があるとどうしても自分を卑下してしまうけれど、二人きりだとこうやって楽しく会話が出来るんだと嬉しくなった。
「ちょっと、浜辺に降りてみようか」
「えっ、行きたい!」
 東京生まれの東京育ちだから、海にはあまり縁がない。私はテンションがあがった。車を止め、階段を使って浜辺に降りていく。砂を踏むと、靴の上からでもその感触が気持ちよかった。
「砂浜も綺麗だね。あっ、貝殻ある~!」
 私は童心にかえったように、貝殻を探し始めた。
「ね、りこねえ、どっちが綺麗な貝殻を見つけられるか競争しよう。制限時間は三分ね」
 嵐はそう提案するとスマホでタイマーをかけはじめた。
「よーい、スタート!」
 私たちはまるで修学旅行でやってきた小学生のようにきゃあきゃあ言いながら砂浜を探っていく。あっという間に時間は経過した。
「じゃ、せーの! っで見せ合いっこね」
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