年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
「なんだかな、嵐との子どもは男の子な気がするんだよね。嵐に似た栗毛の」
 私が言うと
「えー、女の子がいい! りこねえそっくりの女の子がいい!」
と嵐が足をじたばた動かして主張する。
「だって、男の子だったら、妬いちゃいそう」
「・・・私も女の子なら、妬いちゃうかも」
 二人で同時に吹き出して笑う。
 なんて幸せな妄想なのだろう。私たちはその後もいもしない子供の名前や教育について案を出し合い、いつの間にか疲れて眠っていた。
 一年後、私に似た男の子と嵐に似た女の子の双子がうまれてくるなんて、このときはまだ知らない。男の子も女の子もどっちもかわいくてしょうがないってことも、子どもが出来ても嵐のことが大好きなのは変わらないってことも、子育てがめちゃくちゃ大変だけどめちゃくちゃ楽しいってことも、最高の四人家族になることも、このときはまだ知らない。
 でも、私たちは確かに、幸せな未来を想像しながら、一緒に眠っている。枕元に置いている、ブレスレットのシーグラスだけが、その未来を知っているかのように鈍く光った。
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