悪役令嬢は騎士の腕の中で啼く――婚約破棄したら、爵位目当ての騎士様に求婚されました――


「ひゃんっ――んんっ……!」

 ひくひくと痙攣している小さな穴へと、シルヴァの指が入り込む。
 まだ誰かに侵入されたことがない、その場所を、彼がゆっくりと拡げていく。

(初めてだから……やっぱり怖い……噂ではたくさん出血したり、すごく痛いとよく聞くし……そもそもこんなに小さな穴に、太い棒のような男性の器官が入るのかどうか不安で仕方がないわ……)

 そんなことを考えていると――。

(どうしよう、震えてきちゃった……)

 先ほどまでよりも呼吸と鼓動が速くなる。心臓の音が耳に届いてうるさくて仕方がない。
怖くてカタカタと震える私の頬に、シルヴァが口づけを落とした。

「リモーネ、怖いなら、ここで辞めるが――」

 シルヴァにそう言われ、一瞬たじろいでしまう。

(どうしよう……)

 だけど――。

(これまでもずっと、シルヴァお兄ちゃんに我慢してもらってたんだし、頑張りたい……)

「シルヴァお兄ちゃん、お願いします……」

 私がそう言うと、シルヴァは額にちゅっと口づけてきた。

「リモーネ……痛くないように、頑張るから」

 シルヴァが真摯に訴えてくるので、彼を信じることにする。
 そうして、彼が騎士団のコートを脱ぎ捨てはじめる。
 逞しい胸板や、鍛えられた二の腕の筋肉などに目を奪われてしまう。
 そうして下衣を脱ぎ、彼がそそり立つ巨根を取り出した。

(想像よりはるかに大きかった……本当に大丈夫かしら……)

 少しだけ血の気が引いていく。
だが、少しだけ自分でも両頬を叩いて、気合をいれることにした。
 じわじわと液が漏れ出ている、シルヴァの熱塊の先端が、とろとろに蕩けきった淫扉の奥にある淫口へとあてがわれる。
 ぬるぬると彼の先が動き、それだけで、ぞわりぞわりと快感が走っていった。

「そろそろ挿れるが――どこか、掴まりやすいところを握っていろ」

 心臓の律動が激しくて、世界が揺れ動いて感じてしまいそうだ。
 シルヴァの言うように、どこかにつかまろうと思って、彼の幅広の背中に手を添わせる。
 
「挿れるぞ――」


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