辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
「ジョエル様とメラニー様のお子様達はどんな子達ですか?」
「そうだな……、一番上は前にも話した通り、きみとほとんど歳が変わらない。最後に会ったのは一年くらい前だが、しきりに剣と銃撃を教えろとせがんできた。伯爵位を継ぐ自覚からか、とても正義感の強い子だ。二番目は女の子で──」

 セシリオが話す内容に、サリーシャは相づちを打ちながら聞き入った。
 まだ会ったこともないのに、こうして聞いていると自分も知り合いのような気がしてきて、会うのがとても楽しみだ。

 ローテーブルに置かれたグラスへとセシリオが手を伸ばし、体が一旦離れる。触れていた場所から心地よい温もりがなくなり、サリーシャは一抹の寂しさを覚えた。

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