6人のイケメン兄弟達と逆ハーレム暮らし♡【蓮編】

再婚?


「たっだいまー!!!お母さん〜!!お母さんの分も買ってきた……へっ?」

だ、誰この人達……!?

モデルの人かな!?

 容姿が整い過ぎている七人の美形の男性が居て、思わず「へっ?」と変な声が漏れた。

「莉乃!お帰り、まず手を洗ってきたら?」

「え?あ、うん!」


急いで洗面所に行って、手を洗う。

な、なんであんな美形さん達が……!?

その時、頭の中でこんがらがっていた謎、つまり美形さん達の謎が解けた気がした。

お母さんの……?再婚?なのかな……?

じゃああの制服を着ていた男の子達は、息子さん……?


もしそれが正しいのであれば、私はあの人達、美形さん達と兄弟になる……?

そして、後々この予想はドンピシャに当たったんだ。


「も、戻りました……」

「莉乃ちゃん、こちら、いまお付き合いしてる尊(ミコト)さんよ」

「神坂尊です、よろしく」


にこにこ微笑んでくれた尊さん。

イケメンの笑顔、恐るべし……。


「小倉莉乃でしゅっ……!!」


ペコペコ頭を下げていれば、噛んでしまったことにあとから気が付いた。

そして、尊さんがにこにこ微笑んでくれている中、他の美形さん達の視線がものすごく痛かった。


「あ、自己紹介してくれまず長男——」

「蓮」

「湊」

「留」

「樹」

「周」

「雅」

1人1人、名前を順番に言ってった6人さん。

わ、わぁ……カッコいい名前だなぁ……。

そう思いながら、ペコペコとまた頭を下げた。


「でね、莉乃、私達、再婚をしたいのだけど……」

「お、お母さんが幸せならいいよ?」

「莉乃っ……!!」 ギュッとお母さんに抱きしめられた。


そして、私に抱きついてきたお母さんの目には、涙が浮かんでいたのでした。

 


……引っ越すのか……。

この家は小さい頃からお母さんとお父さんと楽しく暮らして来たものだから、できればこの家にまだ住んでいたかったな……。

ダメダメっ……!!お母さんが幸せならそれでいいんだからっ……!!

でも、明日には引っ越すって言ってた……。


「じゃあ私部屋戻るね」

「え、あ、わかったわ莉乃」


速足で自分の部屋に戻って、ベッドにダイブした。

実は、お父さんが死ぬ直前に、「お母さんとおうちを守ってね」って私に言ってたんだ。

だから、私は少しでもお母さんの負担を減らすべく、家事全般を頑張っていたつもりだ。


まぁ、お母さんが幸せならいいけれど……。


「なに泣いてんの」

「へっ……?」


わっ!?樹さん……?


「あ、あくびしただけですよっ……」

「……そ」

「って、言うか!勝手に入って来ないでください……!!」

「そりゃすいませんね」


な、なんなのこの人っ……!!


「は、早く出てってください!」

「はいはい」


すんなりと出て行ってくれたけど、なんなんだろう?

はぁ……バカにされただけか。

どうせ私がへいへいぼんぼん女だったから呆れてたんだろう。

どうしてお母さんもお父さんも美形なのに私は普通以下なのだろうか……。

 ドンドンドンドン!!


え?誰か来てる?

すごい勢いで階段を登る音がした。


「莉乃!!」

「!?悠ちゃん!?」


悠ちゃんとは、私の幼なじみだ。

い、いまきて欲しくなかったっ……。

私達は、仲がとってもいいから、お母さん同士、いつでも家に上がっていいって決めてある。



「どうしたんだよ?!莉乃の家の前に高級車が止まってて!!」

「あ、ちょっと色々と……」

「それにお前泣いてるじゃないか!」

「な、泣いてなんかないよ!!」


 む、昔から察しがいい……!!


「ってか!なんでここにいるの?!」

「だから、心配で来たんだよ、高級車が止まってたから」

「あ、ああ〜……」


大体わかったよ。


「で、あれはなん——」


 ゴンッ!!


「ひっ……!」

「蓮、さん……?」

「莉乃、でいいか?」

「あ、はい……」


 な、なんでここに……!!


「そ、それより悠ちゃん……!!」

「ゆう、ちゃん?」

「私の幼なじみの男の子ですっ……!」

「悠ちゃん、悠ちゃん……!!」


 完全に気絶してる……。


「……お前のこの家は、このままにしといてやるだそうだ」

「へっ……?」

「引っ越すのが寂しくて泣いてたとかなんだろう?父さんがいいって言ってた、もちろん家賃も払ってくれるって」

「な、なんでそれをっ……」

「……樹のおかげだ、俺は照れ臭くて自分で言えなかった樹の代わりに言いに来ただけだ」

「そうだったんですね、ありがとうございますっ……!!」

「っ、ああ」


 ?、なんか顔赤いな、蓮さん。


「ちょっと私尊さんと樹さんにお礼言って来ます!」
 
「ちょ、ま……コイツどうすんだよ……」


私は悠ちゃんのことなど忘れて、蓮さんの言葉も聞かないでお礼を言いに行った。

そして、多分その際には一番の笑みが漏れただろう。
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