わたしのカレが愛するもの
どうやって、わたしの妄想を知ったのか、気にする暇はなかった。
椅子が倒れるのもかまわず立ち上がり、自分の身体能力の限界を超えるスピードでダイニングテーブルを回り込み、立ち上がって待っていてくれたコウくんに飛びついた。
コウくんが、身長差を埋めるように抱き上げてくれたので、優しい笑みを浮かべる唇に、ぎこちないキスを落とす。
何度も、何度も。
くすぐったそうに笑いながら、コウくんが訊ねた。
「ちぃ。この続きもしたい?」
「……したい」