女の恋愛図鑑
その子らは学部があたしと違ってて、よくつるんでた。先輩とどうこうあった話を他のサークルの子には言わないで、あたしには言う

一番最初に年上と付き合い出したあたしが頼りになると言ってくれた。


ちさと、まみはあたしと同じ学部で一緒にいつもいた。あみたちと馴染めずにいた。
馴染めなさはいつしか、どうでもいい憎しみを生む。

「何か、男掴まえにきたのかよって感じだね。」


…あたしに言ったの?ちさ。
今まできったんの馴れ初めや、悩みをいっぱい聞いてくれてた友達からは出てくるとは思いもしない言葉。

あみたちに向けられた言葉だと思いたくても思えない。だって、


「佐知も一緒か。」

ってまみが言うんだもん。…なんで??


3日後、ちさとまみはあたしに何も言わずサークルを辞めた。

電話もメールもつながらなくて、突然辞めた理由も言わない。授業も一緒に出ていたのに、それもなくなった。

あたしが何したっていうの。ばか。

あたしにこんなことする理由の可能性は分かってた。けど、あたしならこんなことしない。自己責任だよ、ちさ、まみ。ハッキリと言える。間違ってる。
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