君は冬の夜に咲いた【完】
なんて無力なんだろう…。
私はぎゅっと、ペットボトルを握りしめた。
「私も知らないの…」
「え?」
「乙和くん、教えくれなかった…」
私の言葉に目を開いた狭川くん。
「私も狭川くんと一緒だよ。何も知らないの。私に迷惑をかけられないって…別れた…」
「え…でも、」
「きっと乙和くんはもう、教えてくれない。乙和くんは優しいから、私が困ることをしないんだと思う」
「…」
「きっと狭川くんも、同じじゃないかな…」
「小町さんは、もし乙和が病気でも知りたいとか思わねぇの?傍にいようとか思わねぇ?」
思うよ、
思うに決まってる。
今だって、今すぐ乙和くんに会いたくて…。
今でも大好きって伝えたい。それでも、
「俺は知りたい…、だって、乙和、もしヤバい病気なら死ぬかもじゃん…」
死ぬ…
乙和くんが…。
でも、命に関わることじゃないと、小山くんは言っていた。
「……分かった、乙和にもう一回聞く。全部答えるまで、嘘ついても聞き出す」
そう言って、目の色を変えた男…。
「今からここに、乙和呼び出すから。小町さんは帰る?どうする?」
乙和くんをここに呼び出す…?
「俺はもう、覚悟できてるから…」
覚悟…。
「小町さんは、本当にこのままでいいの?」