ラストノートは滴る溺愛で
―リーン―

ドアベルの音に振り返ると、懐かしい顔がそこにいた。


「亜里沙、、、」


凛と佇み、柔らかな笑顔を向ける彼女、亜里沙は昔の恋人。

何年振りか

「久しぶりね。元気そうね」

「あぁ、亜里沙も」

「名前で呼ばれるとあの頃を思い出すわ。ねぇ、舜介。私ね、、、」


「本日のご用件は?」


彼女の言葉に被せるように言い放つ。


もう、繰り返すのは御免だ。

過去は過去で今は不要なもの。


「、、、やり直したいの。舜介、私ともう一度、、、それを言いに来たの」


「キミとはもう終わった。やり直すことはない。」

「でも、、、また来るわね」


一瞬俯いてから、背を向けて歩くそれはあの時と同じ光景。



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