婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 唐突な質問にちょっと虚を突かれてビックリしたけど、ローラが心配するのも無理はないか。マロンは猫だもんな。

「マロンは子猫だし狩猟本能が働くかなあ。一度試してみてもいいけどね。マロンは完全室内飼いなんだよ。だから外に出ることはないんだ」

「えっ? でもこの前は……」

「外にいたね。木登りしていたしね」

 俺はマロンのことを言ったつもりだったけど、ローラの頬がうっすらと赤くなった。あの日のことを思い出したのか、恥ずかしそうに俯いてしまった。そんな彼女もかわいい。

 離れた手をもう一度繋ぐ。このまま離したくないなあと思いながら、ローラと出会ったあの日に思いを馳せた。
 
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