素直になれない…
翌日。
私と雄平は実家に向かった。

事前に雄平が連絡をしてくれていたらしく、父さんも母さんも待っていた。
それに・・・

「この度は雄平が、申し訳ない」

父さんに向かって頭を下げる平石のおじさま。
雄平のことを我が子のように思っているおじさまとおばさまも事情を聞いて駆けつけてくださったらしい。

雄平はただ居心地が悪そうにその様子を見ている。

「どうか頭を上げてください。子供は一人でできるわけではありませんし、これは2人の責任ですから」
そう父さんが言っても、
「イヤ、こういうことは男の子の責任だから」
とおじさまは雄平を睨んでいた。

結局、私と雄平が両親や平石のおじ様たちに叱られて、私の家出騒動も収まった。

恋愛も結婚も無縁のものと思っていた私が言うのも生意気だけれど、
人を好きになるのに理屈はなくて、
私はただ、雄平の側にいたいと願った。

これからは何でも彼に話して、嘘のない夫婦でいようと思う。

「幸せになります」
そう言って両手をついた雄平に、私は何があってもついて行こうと誓った。
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