ゼッタイ結婚させない!

「ママ、いいの~?ありがとうございま~すっ」

新宿の雑居ビルにあるラウンジ「(ユイ)」は夜からのアルバイト先だ。
お昼はスマイルスーパー、夜は週の半分ラウンジで仕事をしている。

因みに結は三十代後半の結佳(ユイカ)ママと、レギュラーで毎日働いているお姉さん一人。 そして私みたいに週数回来るアルバイトの女の子が三人のこじんまりとしたラウンジだ。

お客さんもほぼ常連で、キャバクラと違って指名制度もなくアットホームでウォータービジネスにしては働きやすい環境ではある。

ちなみに’リン’は私の源氏名である。
何の捻りもない、凛歌のリンだ。 一応ママが付けてくれた。

「あら、おはよう。リンちゃん、また立ち食い~?行儀悪いわね~」

「レイラさんおはようございますっ。キッチンが狭いんすよ。
ん~、それにしてもママの煮物おいしい~…!
故郷の母の味がするぅ~…」

キッチンに煙草を吸いにやって来たのは、レギュラー出勤のレイラさんだ。
二十代後半で何と子供が三人もいるシングルマザーである。
ママの片腕として、ラウンジ結ではチーフ的な存在である。
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