キレイで頭が良くても、振り向いてもらえない女
 (私が何をしたって言うのよ。まあ、書いたのは事実だけど……)

 瑠璃子は授業中、心ここにあらずだった。琢磨に言われたことが気になったからだ。

「それだけで、好きな人が出来ないなんて、あんまりよ」

「三田、うるさいぞ」

「すみませんっ」

 クラスメイトが笑う。



「瑠璃子、まだ気にしてるのか?」

「当たり前でしょ。あんなこと言われたら……」

 瑠璃子はうつむいてしまう。

「俺も言いすぎたよ」

「分かれば良いのよ」

「だけど、誤解を解かないと、振り向いてもらえないぞ」

「そんなこと言われても、どうやって?」

「ハッキリと言えば良いじゃないか」

「誰が書いたか分からないのに?」

「黒板に貼っとけば?」

「それがあったわね」
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