あやかし戦記 闇の中の流星
「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

俯いている家の持ち主にイヅナが手を伸ばすと、その手は素早く叩かれてしまう。驚いたイヅナを、家の持ち主は泣きそうな顔をしながら睨み付けた。

「思い出の詰まった家を燃やされて、大丈夫なわけないだろ!!お前ら、あの怪物を倒しに来たんだろ?なのに、一体も倒せてねぇじゃん。アレス騎士団って何なんだよ?偉そうなこと散々言った割には役に立ってねぇし!!」

「……すみません」

家の持ち主が言っていることは事実のため、イヅナはただ謝ることしかできない。

チェルシーたちなら、あんなドラゴンでも逃すことなく倒し、村人たちの信頼を勝ち取ることができるだろう。だが、イヅナたちはドラゴンたちに振り回され、遊ばれているようにしか見えない。

「クソッ!降りてこい、この卑怯者!」

レオナードが戦鎌を振り回すも、空高くドラゴンが飛んでしまえばその立派な武器は何の役にも立たない。ドラゴンは「卑怯で結構」と言いながら、村を空から炎を出して破壊していく。
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