あやかし戦記　闇の中の流星
レオナードが目を輝かせながらヴィンセントに訊ねると、ヴィンセントは少し考えた後に口を開いた。

「そうだね……。僕は、勉強だけはできると思うから教師とかかな？でも、医者とか弁護士も興味がある」

「俺は音楽に興味があるから、作詞作曲の勉強をして、色んな人に感動を届けられる音楽家とかなりたいかも！」

アレン・ホッジンズが話の輪に入り、隣にいたチターゼ・グランツに目を向ける。チターゼは、頬を赤くしながらゆっくりと口を開いた。

「……警察官……」

「イヅナは？何かなりたいものとかあるの？」

ヴィンセントに訊かれ、イヅナは少し考えてみる。この世界に飛び込んでからは忙しい日々で、夢など考える暇などなかった。

「小さい頃、お花屋さんをしたいって思っていたわ。花が好きだから」

「イヅナらしくていいね」

ヴィンセントとギルベルトが同時に褒め、アレンが「ギルベルトさんは何かあります？」と訊ねる。ギルベルトは照れ臭そうに笑った。
< 34 / 39 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop