あやかし戦記 闇の中の流星
それから数週間後、イヅナとレオナード、そしてヴィンセントはギルベルト・エーデルシュタインに呼び出され、屋敷を訪れていた。屋敷は工事が進み、ほとんど妖の襲撃が起こる前に戻っている。
「僕たちは倒すべき相手を見つけたわけだけど、その敵のアジトがわからないんだ。ツヤやベラもわからなくてね」
「当たり前だろう。あたしがあいつらから逃げ出したのは千年も前だぞ!」
やれやれと呆れるギルベルトに対し、ツヤが腕組みをしながら彼を睨み付ける。ヴィンセントが手を挙げた。
「何故、ベラもわからないんですか?ベラがこちら側に来たのはつい最近ですよ」
「う〜ん、それが……」
ギルベルトによると、理性を取り戻したベラは記憶が曖昧な部分が多く、捕らえられていたアジトの内部は覚えているのだが、どこにあるのかなどはわからないという。
「手がかりゼロなら探しようがないじゃねえか!」
レオナードが、「どうすんだよ〜!」と言いながら頭を抱える。そんなレオナードを見て、イヅナとヴィンセントは顔を見合わせて微笑んだ。