俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「……最初、遠藤くんも出演するって聞いたときは本当に驚いたよ。まさかって」

「俺も! こんな偶然あるんだってびびった。……花宮はまだ劇団に?」

「うん。事務所に所属しつつ、劇団も時間が許す限り参加してもいいって」

 遠藤は「そっか」と短く言い切り、遠い眼差しをした。

 彼の退団は彼自身の意思ではなかった。所属する事務所が彼をスカウトした際、『劇団を退団しすること』という条件出したのだ。芸能界で活躍するというのが昔からの夢であった遠藤は惜しみながらも辞めることとなった。
< 170 / 291 >

この作品をシェア

pagetop