俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 だが、玲二の反応はというと。

「くっ、」

 さすがに気を悪くしたかと思いきや、突如として吹き出す。そして糸が切れたかのように愉しげに笑い出したのだ。
 呆気に取られた私をよそに玲二はひたすら笑い続けた。涙も浮かばせて笑うその様子に度肝を抜かれていた。

 この長い年月の中でここまで腹の底から笑う玲二を初めて見た。
 玲二は不敵な笑みを浮かべたりや嘲笑することはあっても、声を上げて大笑いすることなんてなかった。他の人の前ではどちらかといえばクールなタイプの人間だったはず。

 何故かいけないものを見てしまったような心持ちになった私はお茶を一口含んで気を紛らわせた。

 ようやく玲二の大爆笑の波が収まると、彼は目元の涙を拭いつつ口元を緩ませる。
 
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