初恋は海に還らない



 誰よりも優しいから、ずっと一人きりで自分を責めていた。失くなった片割れを想って、責任を全うしようと、孤独に入れ墨を掘り続けていた。


 不器用で、けれど人想いで、真っ直ぐで。知れば知るほど好きになってしまう。


 けど、だからこそ分かる。この恋は絶対に叶わない。だって洸は今も尚、ずっと居なくなった彼女を想っているから。

 
 だから、私に出来ることは──。



「大丈夫だよ、洸。もう自分を赦してあげて」



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