伯爵令嬢は無口な婚約者から愛の証を貰いたい
花の咲き誇る都では、お祭りが近づいている。この街には、あるハレンチな言い伝えが残っている。
昔、騎士様がお仕えする、美しいお嬢様に愛を伝えるため、お祭りの日に下着を贈った。花や宝石といったありふれたプレゼントの中から、一風変わった下着のプレゼントを喜ばれたお嬢様は、騎士様と恋人になったという。
それ以来、お祭りの日に下着を贈り、それを受け取ると恋人になる、という風習が生まれた。
女性であれば、ボクサーパンツを。男性であれば、女性用パンツを贈る。買いに行くのも恥ずかしいが、それを乗り越えることこそが、愛の証明として盛り上がる。
メイティーラ・エルドバ伯爵令嬢は、お祭りの日が近づいてくると、ため息をついた。
「やっぱり、無理よね・・・グレン様が、私に下着を贈ってくださるなんて」
彼女の婚約者である、グレン・ゴウ侯爵子息は、無口で無表情で、無駄なことをしない3無男だ。茶色の長い髪を後ろで一つに束ね、細長い眼をした彼は、地味ながらも整った顔をしていた。また背が高く、学園の騎士科に所属していたことからも、貴族の子女の間では、密に人気があった。
2年前に、家の都合で二人は婚約をする間柄となった。それまで、お互い意識することもなかった相手が、突然婚約することになったのだ。メイティーラにしてみれば、3つ年上のグレンは無口なこともあり、初めは彼が苦手だった。
昔、騎士様がお仕えする、美しいお嬢様に愛を伝えるため、お祭りの日に下着を贈った。花や宝石といったありふれたプレゼントの中から、一風変わった下着のプレゼントを喜ばれたお嬢様は、騎士様と恋人になったという。
それ以来、お祭りの日に下着を贈り、それを受け取ると恋人になる、という風習が生まれた。
女性であれば、ボクサーパンツを。男性であれば、女性用パンツを贈る。買いに行くのも恥ずかしいが、それを乗り越えることこそが、愛の証明として盛り上がる。
メイティーラ・エルドバ伯爵令嬢は、お祭りの日が近づいてくると、ため息をついた。
「やっぱり、無理よね・・・グレン様が、私に下着を贈ってくださるなんて」
彼女の婚約者である、グレン・ゴウ侯爵子息は、無口で無表情で、無駄なことをしない3無男だ。茶色の長い髪を後ろで一つに束ね、細長い眼をした彼は、地味ながらも整った顔をしていた。また背が高く、学園の騎士科に所属していたことからも、貴族の子女の間では、密に人気があった。
2年前に、家の都合で二人は婚約をする間柄となった。それまで、お互い意識することもなかった相手が、突然婚約することになったのだ。メイティーラにしてみれば、3つ年上のグレンは無口なこともあり、初めは彼が苦手だった。
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