これを溺愛だとは認めない!
初めて君に出会った時は大雨だった。


適当にウロウロしていたら、やたら中学生が居る。


「ねえ、今の人かっこいい……」


なんて、言ってこちらを見ている。


気分は悪くないが虚しくなるのは、見た目だけで好意をいだかれているからかも知れない。


もし、俺が不細工だったら__

もし、俺が歳を取ったら__


見える世界感が全然違うのかも知れない。


醜い者に容赦ない。それが、現実。


そんな時に視界に入ったのは、薄汚れてやせ細った犬。


なんで、こんな所に居るのかも分からないが人間に対して威嚇をして逃げ回っていた。


愛想の無い動物は人間に愛されないだろう。


ただ、恐怖の対象でしか無い。
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