幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
ドクターズキットを持って行くと既に槇村先生は彼女の母子手帳を見て、診察を始めていた。

ドクターズキットを受け取り、その中に入っていた血圧計で彼女の血圧を測定し、服の上からお腹の中の赤ちゃんの具合を触診。


「血圧が少し高いな…お腹も少し張ってるね…もう少し足許がゆったりしたシートに移動しようか…あ…俺のシートに座るといいよ」

「槇村先生、持ってきました」
「ありがとう…CAさん」

「…容体は?」

「飛行機に搭乗して気圧の変化で血圧が高くなって気分が悪くなっただけだ。まぁ―福岡まで後一時間弱だし…大丈夫だよ」

足が自由に動かせる非常口付近のシートに座っていた槇村先生は彼女とシートを交換した。

「ありがとう御座います。助かりました。槇村先生」

私は槇村先生にコーヒーを出した。

「ありがとう。あ…君の名前訊いてなかったね」

「草壁結です」

「あ…由夢が言っていたCAさんか…」

「はい…由夢さんにはとてもお世話になってます」

「俺は槇村奏弥です。よろしく…それよりも・・・」

槇村先生はジッと私を顔を見つめる。

「草壁さん、君の顔色少し悪いよ。大丈夫?」



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