幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
二人になった途端、祐斗は唇を引き結び、真剣な目で私を見た。

「申し訳ない。結」

「祐…斗」

「俺が一番結のコト理解していたのに。一番近くで結の頑張りを見て来たのに…こんな形で結の夢を遠のかせてしまった」

―――私の夢はこの子を身ごもり、遠のいてしまった。

祐斗は着実に機長の道を歩んでいる。
私は完全に足止めを食らった。
私だけが取り残された。
「出来るなら、代わりに祐斗が妊娠して欲しいよ」

「結…ゴメン…」

「…私…ずっと頑張って来たのに…頑張って…」

私の瞳からは涙が溢れる。

今までの努力が無駄になった。

「私だって夢を叶える為に頑張って来たのに…酷いよ…祐斗だけ…ズルいよ」


「結…」

私は申し訳ないと謝っている祐斗と逆に責めてしまった。

「・・・分かった…じゃこの子を中絶すれば…それでいいのか?結」

「祐斗・・・」

「・・・俺はその子を産んで欲しい…」



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