幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
私だって中絶は考えていない。
草壁家と朝比奈家にとっては初めての孫。

祐斗の両親だって私の妊娠を知れば喜ぶと思う。

リードCAの訓練を続ける為にこの子を犠牲にするつもりはない。

でも、突然の妊娠で今は心の整理がつかない。

だから、私は祐斗に冷たくて当たってしまった。

「ゴメン…今はまだ心の整理が付かないの。一人にして欲しい」
「結…」

私は必死に寄り添おうとする祐斗を拒絶してしまった。

祐斗の二つの瞳は悲しそうに私を見ていた。

子供を授かった喜びを二人で分かち合えればいいけど、今はそんな風に喜べなかった。


「分かった…俺も部屋を出るよ。そうだ・・・後で『LINE』で俺達の泊っているホテルのアドレスと部屋番号送信しておく」

「うん」


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