幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
「お邪魔します…」

宇佐美社長は一言言って、部屋の中に入った。

部屋の中に入るとバスローブ姿の水瀬機長が窓際のソファ椅子に腰を下ろして待っていた。

「宇佐美社長…事情は草壁から訊いた…」

「あ…そっ」

さっきまでお喋りだった宇佐美社長。
水瀬機長の前に出た途端、黙り込んでしまった。

「謝罪なんて…今更いいよ…」

「・・・それでは俺の…気が済まない…」

「・・・葵のコトを忘れて…ハワイのチャペルに放置したのは事実だろ?」

「それを言われると…」
宇佐美社長は語尾を濁して、唇を噛んだ。
「・・・謝罪するよりも君にはやるコトはあるだろ?葵と莉緒を幸せにするコトだ・・・そうだろ?」

「それは御尤もです」

「なら…その…これからの態度で…俺に誠意を見せてくれ…」

「水瀬さん…」

「・・・俺の言いたいのはそれだけだ・・・」

「・・・分かりました…葵と莉緒を幸せにします」

「それでいい…俺達は明日帰るけど…宇佐美社長は?」

「俺も明日帰ります…」

「そっか…まさか…帰りの飛行機は?」

「あ…確か…帰りの飛行機はエアホースの820便だったかな…」

「俺の飛行機で帰るのか…」

「…貴方が操縦する飛行機に乗るの初めてかもしれないな…」

「・・・話は終わりだな…宇佐美社長」

「はい…お邪魔しました…」

宇佐美社長は何処か吹っ切れたような表情で部屋を出た。


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