社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
結局くるみの予期せぬ来襲で息子はすっかりシュン、と元気をなくしてしまい、実篤は身体中をしっかり清めるだけで風呂場を後にする運びとなった。
上がる時、忘れず湯張りボタンを押して事後に備えるのを忘れなかったのは我ながらグダグダな中で頑張れた方だと思う。
身体中をクンクン嗅いで綺麗になったかどうかを確認しながら、「大丈夫、俺は本番に強い男じゃ! ちゃんとやれる!」とペチペチ頬を叩いてから、ふと思いついて歯磨きも済ませて部屋に戻る。
――と、くるみは寝室には居なくて「おや?」と思った実篤だ。
(まさか怖ーなって帰ったとか?)
などと考えてから、いや、くるみちゃんの車、俺の職場じゃんと思い直す。
「くるみちゃーん? おーい。どこにおるん?」
ソワソワしながら呼ばわったら「ひゃーい」とどこかほわほわとうわついた返事が居間の方から聞こえてくる。
(あ、そっちじゃったか)
最初にそちらの部屋に通したのだから、風呂上がりのくるみがそこで待っていても不思議ではない。
結局くるみの予期せぬ来襲で息子はすっかりシュン、と元気をなくしてしまい、実篤は身体中をしっかり清めるだけで風呂場を後にする運びとなった。
上がる時、忘れず湯張りボタンを押して事後に備えるのを忘れなかったのは我ながらグダグダな中で頑張れた方だと思う。
身体中をクンクン嗅いで綺麗になったかどうかを確認しながら、「大丈夫、俺は本番に強い男じゃ! ちゃんとやれる!」とペチペチ頬を叩いてから、ふと思いついて歯磨きも済ませて部屋に戻る。
――と、くるみは寝室には居なくて「おや?」と思った実篤だ。
(まさか怖ーなって帰ったとか?)
などと考えてから、いや、くるみちゃんの車、俺の職場じゃんと思い直す。
「くるみちゃーん? おーい。どこにおるん?」
ソワソワしながら呼ばわったら「ひゃーい」とどこかほわほわとうわついた返事が居間の方から聞こえてくる。
(あ、そっちじゃったか)
最初にそちらの部屋に通したのだから、風呂上がりのくるみがそこで待っていても不思議ではない。