eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
やってしまった。
昼休みにヤマトの呟きを見て、急いでメッセージを送ったことを私は後悔していた。
送ったメッセージを見返すと溜め息しかでない。


『ハルです。昨晩は対戦ありがとうございました。また、呟きで私のことを褒めてくださっていて光栄の至りです。私で良ければ、また戦っていただければ幸いです。何卒、よろしくお願いいたします』

呟きに私の名前があったことや、他の視聴者の反応に焦っていたためか、めちゃくちゃ固いメッセージを送っている。


女子力とは……?


しかも、ヤマトの呟きを見るためだけに作ったアカウントだから、プロフィールも何も書いていない。
アイコンにいたっては、ゴリラだ。
なんでもいいやと思って動物園に行った時の写真を適当に選んだのを激しく後悔した。

「あー、もう! 完全に好感度下がったじゃん! どこに好きな男の人にゴリラアイコンで話しかける女がいるの!?」


ソファーに泣き崩れるように顔を埋めた時、メッセージの通知音が鳴った

『こんばんは。メッセージありがとうございます。今晩もアタックウォリアーズの配信をする予定なんですが、良かったら配信にあがりませんか? ハルさんの都合が良ければ連戦でお願いしたいのですが……』

きょ、今日!? かなり急だけど、とりあえずゴリラ女だと引かれていないようで安心した。

『さっそくのお誘いありがとうございます。今帰宅したので、ご飯食作ってからならいつでもいけます!』


「うふふ、ご飯とか書いて家庭的アピールしてみたり……」


早速ヤマトから返信がくる。

『了解です! では21時くらいから配信を始めますので、準備できたら入ってきてください。ご飯、アイコンのせいでバナナかな?って思っちゃいます笑』


――アイコン変えるの忘れてたぁああ!!


もう、ほんとバカすぎる。浮かれすぎると失敗するくせ、本当に直さないと……。
私は涙目になりながら夜ご飯を食べた。もちろん、作ったのはお母さんだ。
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