eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
ヤマトの告白に、私の胸から顔、頭から指先まで熱いものが流れていく。


過去、そして私への気持ち。
きっと話したくないことまで話して、ヤマトは真剣に想いを伝えてくれた。

それなら、私もその気持ちに、まっすぐに応えないといけない。

「ヤマト。私はね、ヤマトになら自由を奪われてもいい」

「そのかわり……ヤマトの自由も、私に少しください」



「私も……ヤマトのことが好きです。大好きです」



手を握り返すと、不思議とまた涙が溢れた。

「ハル、本当か⁉」

「うん。あと……今更だけどね。ハルはゲームの名前だから、これからは春菜って呼んでほしい」

「は、春菜……!」

ヤマトの顔はどんどん赤くなっていく。
でも、きっと私も同じだ。

ヤマトはぎゅっと私を抱きしめる。
その勢いで、観覧車のゴンドラが揺れた。


「ちょ、ちょっとヤマト! こんなところで!」

「だって……すげー伝えるの怖かった。もう、ずっと離さない」

かっこいい。かわいい。ずるい人だなぁ、と思う。

でも、私、世界一幸せかもしれない。

大好きな人に、告白してもらえたんだから。


その時、ゴンドラの扉が開いた。

「あのーお客様、もう一周乗られますか!?」

いつの間にか、一周していたらしい。
迷惑そうにしているスタッフさんに謝りながら、私達は観覧車を降りた。

「観覧車の一番上の景色とか、全然見てなかったや」

ヤマトが笑う。

「あとでもう一回乗ろうよ! 夕暮れでも見ながらさ」

「いいな、それ」

ヤマトが手を差し出してくれたので、少し気恥ずかしいけど手を繋ぐ。



この日、私達は付き合うことになった。


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