恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
その様子を見ていた弘が吹き出して,俺は弘をジロッと睨む。

ほんの少しだけだけど,俺が愛深に絆されているのがおかしんだろう。

愛深は愛深で,信じられないと言った風に両手を頬に当てている。



「ぇっあっと,明後日の土曜日だから……」



それでも段取りを決めようと口を開く愛深に,俺は何もかもがどうでも良くなった。

俺は仕方なく,ため息をつきながら愛深に応える。



「……はぁ,後で時間も教えて」



俺が答えたのに,関係ない奴らが騒ぎ出して。

煩わしい。

と,俺は眉を寄せた。

その傍らで,愛深が何かオロオロしているのが視界に入る。
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