至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「手荒なマネされたくなかったら正直に吐け。どうやって入り込んだ? 何が目的だ?」
がっちり肩を掴まれる。
この時点で十分手荒なのに、どうしたらいいんだろう。
本当のことを話そうとすれば、さらに危害を加えられるかもしれない。
改めて、身に沁みてわかる。
龍泉閣は、普通の人間が足を踏み入れていい場じゃない。
──ましてや、わたしみたいな、普通以下の人間が………。
「なんとか言えよ!」
「っ……」
次は髪の毛をひっぱられた。
痛いけど、抵抗しようとも思わない。
──『“お姉ちゃんて鈍くさいよね、何しても上手くいかなさそう。誰に似たのかな、可哀想だね”』
しょせん、わたしの価値ってこんなもの。
可哀想なくらいが、わたしにお似合い。
「うわ、泣きやがった……。泣き落としで許してもらおうなんざ下品な女だな」
涙の膜で覆われた視界は白く濁って、もうなにも見えくなった
──とき、だった。
「下品なのは、一体どっちだろーね?」