至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
みやびの話を遮るわけにはいかない。
でも明日から別の場所に住むっていうのは大事なことだから、みんながいる前で言わないと……。
“大事な……こと”?
お父さんもお母さんもみやびも、わたしのことなんか気にかけてないのに?
いてもいなくても同じ、なんじゃないの?
それどころか、迷惑だと思ってるんじゃないのかな……。
家族がひとりいなくなったところで、何も変わらないなら。
──言わなくてもいいかもしれない。
そんなことを考えながら、ご飯を口に運ぶ。
食べ終わるまで、家族とは一言も口をきかなかった。
大好きなはずのカニクリームコロッケの味は………覚えていない。