至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
あぶない……!
そっか、普通の人は食券なんて持ってないのか。
「な、なんでかわかんないけど、大量に持ってるみたいで……株主? とかなのかな……?」
株主の意味もよくわかってないけど、それっぽい言葉をテキトウに並べてみれば。
「ああ、なるほど〜」
あっさり納得してくれてほっとする。
間もなくしてヴーッ、ヴーッと手の中で震えたそれを持って、受取口まで急いだ。
「お待たせしました〜。和牛ローストビーフ定食、温玉盛りで〜す」
「わっ、ありがとうございます!」
受け取った瞬間からすでにいい匂い。
真ん中に乗っかった半熟の卵がぷるぷる揺れて、ごくっと喉が鳴る。
「わあ~ボリュームたっぷり! 美味しそう~すばるちゃんよかったね!」
「うん、すごい豪華で幸せ……!」
わたしが戻ってくるまで食べるのを待っていてくれた真凛ちゃんと一緒に手を合わせる。