至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
富豪組と一般組で教室の棟も違うせいで、普段の授業では接する機会が、実はあんまりない。
Sクラス・SSクラスと接触できる機会といえば、文化祭・体育祭といった学園行事。
毎月行われる全校集会。
あとは毎日のお昼休みに、共用の食堂や中庭やテラスなんかで一方的に拝む程度で……。
「見て、千石先輩だ……!」
近くの席に座るAクラスの子たちが、食堂に入ってきたSクラスの男の人を見てはしゃいだ声を上げた。
「今日も麗しい~。食堂に来た甲斐あったね!」
「こっち見てくれないかな……。って、きゃあっ、笑いかけてくださった!」
「えええずるい羨ましい!」
こんな風にAクラスの子たちはご飯を食べることは二の次、お昼休みはSクラス・SSクラスの人を拝みに来てるといっても過言じゃない。
同じ生徒同士の交流のはずなのに、まるでファンの黄色い声援と、それに気まぐれに応えるアイドルみたいに見える。