無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。
……そして、数分後。


「よし……!ついた……!!」

「……あ!雛乃ちゃん」


手を振る晴翔さんが見え、晴翔さんの方へ近寄っていく。


「よかった、場所わかってくれて」

「こちらこそ、よかったです……」


ふぅと息を吐きながら胸を撫でおろす。


「……それで、さ」

「は、はい……!」

「……ごめん」


ゴンッ


聞こえたのは、申し訳なさそうにする晴翔さんの声と……私を殴る、石の音だった。






♪♪♪♪♪


悲しいオルゴールのような音楽が聞こえてくる……。


『……もうこれしかないんだ!!!仕方がないんだ!!』

『だめ!!それじゃ誰も救われないわ!!!』


お母さんと、お父さん……?


仲がとてもよいふたりが、こんなになにかを言い合っている。

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