無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。
そして、かすかに視界に映るのはくまのぬいぐるみだった。
おそらく、私が抱きしめているのだろう。きっと、ひーくんだ。
*
「……う……」
重たい瞼が上に上がり、視界が明るくなった。
……いまのは、どういう夢だったんだろう……。
「……あ。雛乃ちゃん。起きた?」
「……?晴翔、さん……?」
「ごめんね。気絶なんてさせちゃって」
「き、きっとなにか理由があったんですよね……?」
悪寒がして、思わず縮こまる。
「……うん。僕は、日向派じゃないからね」
「……え?」
日向派……?
「……雛乃ちゃん。この場所は、僕の屋敷の秘密の部屋。そして、キミに全てを打ち明ける。このことを知っているものもいるが、そいつらに話すことも許されない。いいね?」
「……!は、はい……!!!」
ようやく、真実を知れるんだ……!