無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。

そして、かすかに視界に映るのはくまのぬいぐるみだった。

おそらく、私が抱きしめているのだろう。きっと、ひーくんだ。





「……う……」


重たい瞼が上に上がり、視界が明るくなった。


……いまのは、どういう夢だったんだろう……。


「……あ。雛乃ちゃん。起きた?」

「……?晴翔、さん……?」

「ごめんね。気絶なんてさせちゃって」

「き、きっとなにか理由があったんですよね……?」


悪寒がして、思わず縮こまる。

「……うん。僕は、日向派じゃないからね」

「……え?」


日向派……?


「……雛乃ちゃん。この場所は、僕の屋敷の秘密の部屋。そして、キミに全てを打ち明ける。このことを知っているものもいるが、そいつらに話すことも許されない。いいね?」

「……!は、はい……!!!」


ようやく、真実を知れるんだ……!
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