無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。
「白雪……雛乃さんだよね」

「そう!えへへ、覚えてくれてたんだね……!ありがとう……!」


ぎゅっと優しく僕の手を握る雛乃さん。


……痛くない。

泣きそうなくらい、優しい触れ方だ……。


「私も日向くんも、名前にひなって入ってるよね……!!だから、仲良くなれたら嬉しい!」

「っ……」


優しい温かい手を伸ばす雛乃さん。

だけど、こんなに優しい子が僕なんかと関わったら、汚れてしまう。

きっと、孤独になっちゃう。


「それは、無理だよ」

「どうして?」

「どうしてって……」


そういえば、まさか知らないのかと思った。

僕が悪魔と言われているのは有名で、みんな僕には近寄ってこない。


「知ってる、でしょ?」

「?悪魔さんのこと?」
「そうだよ……」
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