無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。

こんな純粋に微笑んで、金目当てじゃないんだとわかった。


「……わかった……キミの安全の保証はないよ……?」

「だから、そんなの勘違いなんだからいいんだよ!」


にこーっと可愛く微笑む雛乃さん。


「んー……あ!ひなくん!」

「ん?ひなくん……?」

「日向くんのこと、ひなくんって呼ぶから——」
「じゃあ、僕はひなちゃんって呼ぶね」

「……!うん!」


ものすごく嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜ぶ、ひなちゃん。


「やったやった!じゃあ、今日から親友ね!」

「え、親友……?」

「!嫌だった……!?」

「ちがう……嬉しかった」


なんだろう……ひなちゃんとは、心が通じる気がする。


「じゃあ、親友ね!」

「……うん……ありがとう……」


この時、僕の中で初めて生きがいができた。
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