美琴ちゃん、大丈夫?

先生に促されて男子たちが一斉に横並びになる。



…あ


唯の隣に、いる。


体操服似合うなぁ。



遠くて聞こえないけど、相変わらず仲良しの男子たちと何か楽しげに話してる。



シャトルランのアナウンスが鳴った。


独特のアナウンスに、見てる方もなんとなく緊張してしまう。




「5秒前……3、2、1」






男子たちが一斉に走り始める。




…わ、



…わ!



「きゃー!唯くーん!!」




私と優花が座ってるところ、ちょうど真正面に唯と……


時山くん。








往復のたびにギュギュッと靴の音を立てて折り返していく。







ちょっと近くて、


ドキドキする。







回数を重ねてはやくも脱落者が出てくるけど、唯も時山くんもまだまだ余裕そう。





それにしてもさすが陸上部。フォームがとってもきれい。

ついつい見てしまう。







…あ


目が


あった…?








目があったままこちらに走ってくる。



え、



えっ、





「…ハッ、…ハァ、」


ギュギュッ。





そして折り返していく。




次に往復した時には時山くんはコースをちょっとずらして、目線も合うことはなかった。




…ビックリした。

たまたま目があっちゃっただけ?


なんか言われるんじゃないかと思って、ドキドキしてしまった。



ていうか間近で息遣いが聞こえるの、なんかヤバい。



私は自分が考えてることに恥ずかしくなって体育座りしてる膝に顔の下半分を埋めた。
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