【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
『ありがとう、國井さん』
『いえ』
お茶と和菓子をデスクに並べると、会長は柔和な笑みを浮かべてくれた。
笑顔返して『では、失礼します』と、その場をあとにしようとしたき――ことが起きた。
目の前が霞んで、ふらりと視界がぐらついた。
『あ……れ……?』
突然、目の前が真っ暗になり、全身から力が抜けて、膝から体が崩れ落ちていく。
………やばい……倒れる。
微かな意識の中でそう悟ったその瞬間、
ぐっと力強い腕が腹部に回り込み、次の瞬間ふわりと身体が浮いた。
え……?
『顔色が悪いかと思えば……。貧血でしょうか。自らの健康管理を怠りながら、役員秘書を務めるなど言語道断です』
低く艶のある声が耳元に触れ。爽やかなグリーンの爽やかな香りと共に、失いかけた意識がぼんやりと浮上する。