【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
「はいはい、そうすぐにムキにならないの。お子ちゃまなんだからっ。――坊っちゃんも落ち着いたことだし、あんたもその難ありの性格を受け入れてくれる子、早いとこ見つかるといいわね――」
……人の話を全く聞いていないな。
一通り報告を聞いて満足したらしい室長は、そう言って意味もなく人の肩をバカ力で叩いたあと、
「――じゃ、引き継ぎ頑張んなさいよーー!」
赤いヒールをコツコツ鳴らして、颯爽にその場を後にする。
――揃いも揃って、みんな大きなお世話だ。
なぜ、永斗さんが結婚したからと、俺まで催促されなければならない。
脳内で大きく息をこぼしながら本日の業務へ戻る。
永斗さんが結婚したのは、ちょうど一年前だろうか。
金髪碧眼の異国の王子のような風貌と、完全無欠の御曹司という肩書のある彼は、常に周囲を魅了し寄せ付ける存在だった。