クールな美形王子の誘惑
「…で、
そっちの2人もなの?」
彩奈ちゃんに“京ちゃん”と呼ばれていた男の子が、私とさくらちゃんを見た。
「……って、
アンタ、早川の…!」
「へ?」
「…僕この子とはできないよ。
僕と一緒に勉強なんてしてたら、早川に殺される」
眼鏡をクイッと上げると、
『その子だけはマジで無理』と強めに拒否られた。
「京ちゃん、それはひどいんじゃない?」
「僕だってこんなこと言いたくないけど、
その子に勉強教えるのは早川がやってくれるでしょ」
「そうかもしれないけど…」
困ったようにチラッと私の方を見る彩奈ちゃんに、
にこっと笑って
「私は自分で勉強するから大丈夫だよ」
気にしないで、と手を振った。
……別に、もう梓くんとは関わりないし…怒られるようなことないと思うけどな。