クールな美形王子の誘惑
「……宮坂さんさ」
「…えっ?」
「なんでもかんでも遠慮しすぎじゃない?
それこそこれだって、早川から聞いてたわけじゃないんだろ?」
彩奈ちゃんが持ってた雑誌をペシペシと叩きながら、京佑くんが言う。
「早川はどう見たって、宮坂さんが特別だったんだろ。
その子が、自分のことに興味を持ってくれないのは悲しいことだと思うけど」
「……」
「情報源が女子の噂ばっかだけどさ、
終業式の日には来るってのは本当。早川が話してたとこ見てたから。
普段の早川なら…女子と話してるなんてありえないけど、
……それだけ早川も切羽詰まってて、宮坂さんに伝えたかったんじゃないかな」
「……」
「本当は会いに来てほしいって、思ってんじゃないの?」