クールな美形王子の誘惑
わかりやすく目を逸らす梓くん。
「ていうか、まだこたつ出してるんだ?
片付けないの?」
「え…まだいいかと思って。
片付けるの面倒だし…」
梓くんはそこまで言った時、ハッとして口をおさえた。
「……や、ちゃんと片付ける。
それくらいはできるから」
「え、いや、別にすぐ片付けろとは言わないけど…」
さくらちゃんの言葉を聞いてないのか、
今すぐに片付けようとこたつの天板を外そうとする梓くん。
さくらちゃんは「今はいいって」って言うけど、やっぱり聞いてない。
梓くん…なにか、焦ってるように見えるんだけど…
私はそんな梓くんが心配で、腕をぎゅっと掴んだ。
「…! …あず…」
「……このままでいいよ。
おふとん気持ちいいから」