輝きのままで
もしも突然、スマートなやり方でピノコに迫るカサノヴァでも現れたら…と不安になったりもしたな。

しつこく求愛するのもどうかと思ったので控えたが、ピノコにはもっと自分に自信を持って欲しかった。

あの純粋な心がずっと傷口癒えないままというのは、俺にとってもつらいことでもある。

求愛の代わりに、さりげなく、そして根気よく…というのも変な話だが、ピノコの素敵だと思うところを、ひとつひとつ、言葉にして伝え続けてきた。

ピノコは、自分が誰からも愛される資格がないとでも思っているようだったが、少なくとも俺には、永遠に愛せると思うほど、どんな宝石より輝く存在だということを知って欲しくて…。
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