雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「どうして、って……」
 
 最初は緊急事態だったでしょ? あとは……?
 よくわからない。
 成り行き?

「よく考えてみろよ。お前も嫌じゃなかっただろ?」
「そ、う、だけど……」

 指をいろんなところを刺激されると、快感で思考が曇ってくる。
 片手が離れ、後ろでピリリとなにかを破る音がする。腰を引き寄せられたかと思ったら、挿入された。

「ああッ」

 一気に奥まで貫かれて、声をあげてしまう。
 後ろからなんて初めてで、いつもより深い気がする。
 掴んだままだった進藤の腕とキッチン台にすがって、崩れ落ちそうになるのを耐える。

「ほら、こうやって、すぐ俺を受け入れる」
 
 耳元に舌を這わせて、進藤がささやく。
 ぞくんとして、首をすくめた。

「そ、それはあんたが勝手に……」
「でも、なんの抵抗もしてないじゃないか。それとも、誰でもいいのか?」
「そんなわけないじゃない!」
「じゃあ、やっぱり俺だから受け入れてるんじゃないか」

 顔は見えないけど、笑いを含んだ進藤の声に腹が立つ。

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