義兄の純愛～初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました～

「なんで謝るのよ～！」


　響き渡ったのは明るい母の声で、私は目を丸くして顔を上げた。予想に反して、両親は嬉しそうにしているので拍子抜けする。


「やっぱりふたりは恋をし合ってたのね！　最近六花の様子がおかしいから、そうなんじゃないかな～とは思ってたのよ」
「私もだ。聖に好きな人がいると知って驚いたが、霧子さんじゃないなら六花ちゃんしかいないだろうなと」


　ぽっと頬を染めてニンマリする母に、腕組みをしてうんうんと頷く雅臣さん。私は脱力気味にふたりに問いかける。


「反対しないの？」
「しないわよ。法律的にも問題ないんだし、反対する理由がないもの。聖くんが六花を大切にしてくれているのは前からわかってるから、むしろ私は大賛成よ」


　母から温かい言葉をもらえて、ずっと心にあった不安の塊がみるみる小さくなっていった。

　一方、雅臣さんはなぜか申し訳なさそうにする。


「謝らなければいけないのはこっちかもしれないな。私たちが再婚したせいで、六花ちゃんは遠慮したり悩んだりしただろう。聖は気にしていないと思うが」
「……俺はそんなに無神経じゃない」