義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

「えっ? お母さん、部屋間違えてない?」
「間違えてないわよ。このおふたりが、六花の家族になるの」


 意気揚々とした母から衝撃の真実が告げられ、私はここが料亭だということも忘れて「えぇぇ~~!?」と叫んでしまった。

 うそ……うそでしょ? 聖さんと私が、義兄妹になっちゃうの!?

 母と水篠社長の仲がいいのはもちろん知っていたから、ふたりが再婚する流れになるのは自然だし納得もするけれど、好きな人と義兄妹になるなんて事態は受け入れられない!

 髪をハーフアップにアレンジした頭を抱える私を、母がマネキンを移動させるかのごとく動かして席に座らせる。私の向かいに座る聖さんも、頭痛を堪えるように片手を額に当てていた。

 いまだに呆然としていると水篠社長が「こんばんは、六花ちゃん」と微笑みかけ、はっとして私も挨拶を返す。

 イケオジという言葉がぴったりハマる彼だが、今日は社長の風格を感じさせる普段とは少し違い、父親としての穏やかな表情で言う。


「ふたりとも、驚かせて悪かったね」
雅臣(まさおみ)さんと、子供たちも喜ぶだろうからサプライズしようかって話になって」


 母たちは顔を見合わせ、のほほんと笑って「ねぇ」と声を揃えた。
< 25 / 265 >

この作品をシェア

pagetop