義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

「そう、今日はわけあって男の姿だったけど……。アキちゃんはどっちの性別でもある人だから、これまではずっと女友達として接してきたの」


 アキちゃんは隠そうとしていないけれど、勝手に打ち明けちゃってごめん、と心の中で謝った。

 聖さんはすぐに察したようで、「……そうか」と小さく頷いた。そして、少しだけ威圧感が薄らいだ口調で言う。


「さっきの様子からすると、〝アキちゃん〟は六花のことが好きなのか?」


 ストレートに問いかけられてドキッとするも、正直に答える。


「……そう、みたい。告白された。男として」
「六花は?」


 間髪入れずに、再び問いかけられた。押し黙る私に、「六花は誰が好き?」と畳みかけてくる。まるで私に好きな人がいると知っているみたいだ。


「わ、私は……」


 聖さんが好きに決まっている。彼から卒業しなければいけないとはいえ、数年間抱いていた恋心は簡単には捨てられない。

 しかしさすがに本心は言えないので呑み込み、「ていうか!」と話の方向を変える。
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