別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
私たちがこそこそ話していると、恵子さんが新しい弁当を並べに店頭にやってきた。


「天沢さんじゃない。食彩御膳、売り切れちゃったわ」
「みたいですね。ほかのをいただきます」


どうやら恵子さんの声が聞こえたらしい重さんまで顔を出した。


「おっ、旦那のお出ましかい?また仕事さぼって心春ちゃんの顔見に来たな」


重さんは陸人さんを旦那と呼んでいつもからかう。


「仕事はちゃんとしてますよ。今から昼休憩です。救急車が入らなければ、ですけど」


患者は待ってくれないので、休憩なしという日もあるらしい。


「とか言って、ずっと心春ちゃん目当てで通ってたくせして。弁当は二の次だったでしょ?」


恵子さんが鋭い指摘をすると、陸人さんはバツが悪そうにしている。


「バレてたんですか?」
「わかりやすいよ。でも、当の本人には気づかれてなくて残念だったわね」
「あはは」


わかりやすい?
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